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彼との復縁を望んでいます  02.08.08 up
私と彼は、同い年の29歳。同じ病院に勤めており、私は看護婦で彼は医者。3年前の職場の旅行で、彼に告白をされ、付き合い始めました。当初は、いい人だから、とりあえず付き合ってみるか、くらいでした。その2ヶ月前に、付き合っていた年上の医者にこっぴどくふられていたため、医者と付き合ったら、遊ばれて捨てられるんだという恐怖感があり、付き合いが始まっても浅い付き合いを心がけ、いつふられてもショックが少ないように、真剣にならないようにしてました。彼は、研修医2年目、かなりルックスがよく、院内でも美形で有名でした。彼は、そんな私に「どうしたら、俺を好きになってくれるのか」と何度も聞いてきました。付き合ってみると、私は彼の熱意や誠意に感動させられました。半年以上も経つと、私も彼のことが好きになってました。

しかし、彼は結婚のことは一言も口にだそうとしません。私が結婚を望んでいることは十分知ってます。私は将来、結婚もしたいし、子供も産みたいと思っているのに、彼と付き合っていたとしても、それは無理という可能性もあるわけです。今年に入ってから、一度大きなケンカをしました。寮を出て、ひとり暮らしを始めた彼が、鍵をくれなかったことが原因で……。その際、結婚のことを考えてくれているのか、ということに触れると、彼は、「今は、俺の2コ上の姉も結婚していないし、やりたいこともまだたくさんあるから、考えられない」と言われ、そのまま連絡が途絶えてしまいました。その1ヶ月半後、彼から、「今日お前の誕生日だよね、おめでとう」と連絡があり、結局自然にもとの仲に戻ったのです。しばらく距離をおいて付き合うべきか悩んでいた私に、彼は、お前が好きだと会うたびに言ってくれました。離れた時間があった分、私も前以上に彼に、優しく接することができていたのです。結婚については、自然にまかせようという気になり、不安もどこかへ飛んでいっていました。私たちの勤める病院は、救急指定の非常に忙しい病院で、彼は嘘のように忙しい毎日を送ってます。そんな中で、時間を見つけては私に会おうとする彼を、とても愛しく思ってました。だから結婚しても忙しいし、私も責任のない「彼女」という存在に、気楽さを感じられるようになりました。そう思えるようになったのは、彼の転勤が、あと一年程でやってくることが決まっていたからです。私たちの病院では、研修医も含め、5年目にほかの病院に異動になるのです。私たちと仲良くしているH夫妻も、医者と看護婦で付き合っていて、彼の異動を機に、結婚をしました。私は、異動が発表になった時点で、結婚するかどうかが決まると確信しています。遠距離恋愛しようと言われたら、プロポーズされない限り、別れるつもりです。それから、相手をみつけるのはかなりしんどいし、今の病院にはいられません。勤め先もかわらなきゃいけなくなります。一生、ひとりで生きていくかもしれないことが怖いです。今は、親がいますが、いずれ、いなくなります。私は、家族も持てずに、長い人生を歩いていくのかと考えると、一年後の自分が、どうなっているのか怖い……とも思っていました。

それからしばらくたって、12月に事件がおこりました。その日、私と彼は、2人で会う約束をしてました。彼は、前日から当直。当直明けで、寝ずに私と会うつもりでした。私も彼に会うのを楽しみにしていましたが、上司に、明後日までに仕上げなさいと、急なレポートを命じられたのです。私は、それを急いで仕上げなければならず、彼に連絡をとりました。もちろん、当直なので、とれません。結局、当日の夕方、仕事を終え、嬉しそうな声で「やっと終わった。会おう!」と言った彼に、理由を説明するしかありませんでした。いつも彼が怒るのは、私が急に会えなくなるのが原因。彼は、その日も落胆してました。

それからです。何もかもが崩れだしました。私は1ヶ月無視をされました。電話にも出てくれませんでした。やっと電話に出てくれたとき、彼は私に2つの点を直すように要求しました。約束を破ったり、待ち合わせの時間に遅れないこと、そしてタバコを止めて欲しいということ。私は、徹底して守りました。しかし、それから些細な事でケンカすることが多くなり、今年の3月にまた「結婚」のことで、私が彼を責めることになってしまいました。その後、またしてもお互い連絡を取り合わず、5月に別れを告げられました。

結婚のことが原因だとは口にはしませんでした。いちばん大きな原因は、12月のそのことだと言うのです。別れたくないと泣く私の言葉に彼は、耳を貸しませんでした。頭が真っ白になった私は、彼に怒鳴り、極めつけの「死ぬ」という言葉を言ってしまいました。この言葉が、二度と私のところに彼がもどってこない決定打となったのです。その後、何度か電話や手紙を出しましたが、無視され続けました。脅すようなことを言ったことを必死で誤り、彼を愛していることを伝えました。しかし、やっと会えた6月に彼は「あの日にお前への想いが灰色になった。死ぬと言われて黒になった。俺が変わった。お前と付き合っていたときの俺とは違う」と、冷たく言いました。もう何を言っても今は無駄。余計嫌われるだけだ、すがっても仕方ない。そう判断し「今まで有難う。あなたと付き合ったことは、私にとって凄く大きなことだった。うれしかった。」といって、別れてきました。

次の日から、私はひどい孤独感に襲われ、ひとりになるのが耐えられない状況が続いています。時が経てば、自然と元気になれると信じています。今が、いちばん最低なときなんだと思って、いつか笑える日が来ると信じてます。おそらく9月に彼は、転勤になります。その時、私は連絡をとろうと思っています。でも、どんな風に彼に接したらいいんでしょう? じつは密かに復縁を望んでいます。齋藤さん、長くなってしまいましたが、いいアドバイスをお願いします。

Nさん、お返事がたいへん遅くなってしまい、本当に申し訳ございませんでした。何度も事情をうかがうことになってしまってごめんなさい。もしよろしければ、私の考えを聞いていただけますか?

20代終わり、30前の一時期、“一生ひとりで生きていかなきゃいけないのかも……”という不安が、巨大にふくらんでしまうことって誰にでもあるようです。20代半ばくらいまでに、すんなりと結婚してしまった人以外は、誰でも一度はそういう不安におそわれるものなのです。親もずっといてくれるわけじゃない。誰も自分を支えてくれない。誰も自分を養ってはくれない。一生さみしく“食べるため”に仕事をしていかなきゃいけないんじゃないかって……。いくら仕事のできる人でも、女は遺伝的に“一生自分自身が食べていくために仕事をすること”には抵抗があるようです。生きていくことと、仕事をすることを、女はどこかで分けたいのでしょうね。だからどうしても“結婚できない=一生仕事をやめられない”という図式が、気がつかなくても、頭をかすめていくのです。そして、20代後半から30代初めくらいの時の恋愛では、そういう意味での不安が、男性に伝わってしまいがちなのです。もちろん女性の方に“この人に養ってもらうんだ”なんていう具体的な意図がまったくなくても、女が不安を抱えていると、それが何となく男に伝わるから男にすれば、そういう意味での支えを女が求めているように見えてしまう。男は“つかまる”という意識を強くもつ……男がたぶんいちばん結婚を恐れるパターンであると言えるでしょう。

Nさんの場合がそうであるとは、決して言いません。しかし、男性が結婚という2文字に敏感になる時って、多かれ少なかれ、恋人が“将来への不安”を自分との結婚で解決しようとしていると感じているようです。男性にしたら、“自分に養ってほしいと願っている女性”とではなく、“心から自分を愛してくれる女性”との結婚を望むはず。女性が恋人との結婚を望む時、自分はどちらなのか、時には自問自答しておくべきでしょう。もし、本当に心からその彼を愛していて、彼との結婚を望むなら、いつまでもその時期をまつことができるはず。もちろん、そこまで物わかりのいい女になるのは、並大抵のことではないのかもしれませんが、少なくとも、女は“ひとりになるのがイヤ”で、相手との結婚を望むべきではないと思うのです。

遠距離恋愛しようと言われたら、プロポーズされない限り、別れるつもり……とありましたが、それだけを聞く限り、少なくともその時点では、彼に対する純粋な愛情よりも、結婚を急ぐ気持ち、“将来への不安”の方が、どちらかというと大きいような気がしてしまうのですが、どうでしょう。

さて彼が怒るのは、いつもNさんの都合で急に会えなくなるのが原因ということですが、仕事を優先させるNさんはとても立派だし、彼も、怒ってはいても、それが本当に仕事のためならあとになって、あなたをどこかで尊敬する気持ちをもつはずです。予定が変わるのを許せない彼は、まじめすぎるくらいまじめか、さもなければずい分我ままな人ということになってしまいますが、自分がウソをつかないから、相手のウソも許せないという意味で融通のきかない人なら、そういうふうに、Nさんが仕事にいつも責任をもって取りくんでいることがわかれば、彼もおそらくもっとあなたを認めるでしょう。そして、あなたが今は仕事をきちんと取り組み、彼のこととは別に、もうひとつあなた自身も、自分の将来について、今より不安が減っていくはずです。つまり、20代後半で、“食べるために一生仕事すること”への不安がピークに達するのは、仕事での自信がまだ中途半端だから。30代になって、それなりに社会的責任というものがついてきて、自分自身、仕事のおもしろみや、自信が湧いてくると“結婚できないこと”と“仕事を続けること”は、別々のこととしてとらえられるようになるはずです。極端な話、そうなった時、彼は初めて、あなたの自分に対する愛情を“本モノ”として信じることができるようになるのかもしれません。

20代後半で、その先の人生に不安をもつのは当然のこと。でもそれをどうか、彼との結婚に結びつけず、仕事における自分の自信を早く確立させ、ある意味では、自分は自分の力で生きていくくらいの逞しさを備えてください。すると“この人となら一緒に人生をやっていきたい……”と思う男性が必ず現われます。それは今の彼かもしれないし、違うかも知れない。ただどちらにしてもあなた自身が、不安のない自信に満ちた存在になることが、すなわち結婚への近道なのかもしれません。 そして、彼との“復縁”を本気で望んでいるならなおさら、自分がひとりでも生きていけるという自信を育ててから、彼の前に立つべきなのではないでしょうか。“死ぬ”という言葉を吐いたことで、彼はあなたを大きく誤解しているのでしょう。彼は相当ガンコそうだから、その誤解が根本から打ち消せるまでは、あなたを受け入れないはず。ハッキリ言えば、誤解を必死で解くというよりは、あなたが、女性としても人間としても成長して、前とは変わったという印象を与えなくては、彼はあなたを受け入れないと思うのです。だから時間をかけ、彼のペースに合わせ、自分が反省をし、やみくもに結婚を望んでいるのではない、しっかりと自分の人生を生きている立派な女性であることをわかっていってもらう、それしかないように思います。彼の転勤などで、心がよけい乱れる時期かもしれませんが、どうかそのことだけ、覚えていてください。お体を大切に、頑張ってください。



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