COUNSELING

過去の恋に振り回されそうな私  02.07.18 up
昨年の9月に、メールをいただきましたが、なかなかお答えできず、昨年12月、そしてさらに今年6月と状況をおうかがいさせていただきました。

1回目、2回目のメール
初めまして。34歳、結婚して9年目を迎えます。結婚して1年経った頃から主人とは別の男性とのお付き合いが始まりました。私自身、看護婦という職業を持ち、子供もできないという状況から家を明けることはそんなに難しいことではなく、朝帰りなどをしても主人は別段気に留める様子もないようでした。相手の彼は家庭があり、子供もいます。付き合いが7年目に入った頃ちょっとした行き違いから会えなくなり、連絡もとれなくなりました。“もう限界だったんだ”と自分で気持ちに整理をつけたころ、彼から急にメールがあり、忘れかけていた彼への思いが急速に蘇り、嬉しいやら、せつないやら…。でも返信はしませんでした。またしばらくして彼から電話があり「会いたいと」言ってきました。私も“もう大丈夫”という自信があったので会いました。彼は「仕事がきつくなり、不況の中で経済的にもかなり苦しくなってきた。家庭を守ることの方が大事だ。おまえへの気持は全然変わっていない。以前のような付き合い方はできないが、別れるつもりなど全然ない」といわれました。彼とは7年間の付き合いの中で精神的なつながりも十分にできたから、会える時に会えばそれでいいという風に思えたのですが、やはり熱い気持ちがこみ上げてきてしまいました。その後2ヶ月ほどして、再び彼から連絡があり、会いました。食事をしてその日は別れましたが、翌月に会った時は、抱かれてしまいました。彼は、又以前のように付き合いたいと言っています。私も、彼との関係を終わりにはしたくないので、できることならお付き合いを続けて行きたいとは思いますが、不安な気持には変わりありません。又、今年の前半、悩み、苦しみながらも少しずつ彼を忘れようとしていた自分は何だったのかとも思います。

最後のメール
彼とは・・・時々会ったり、電話連絡したりしていますが以前のような熱い気持は持てないでいます。以前は月に2回〜3回の割合で会っていましたが今は数ヶ月に1回程度のデート?です。そんな不安定な関係が一年半以上も続き、一頃は私自身どうしていいのかわからないほど動揺したりしていました。しかし時間の経過というのは経てば経つほど人の気持を淡白にしてしまうようです。6月の最終の土曜日に今年初めてのデートをしました・・・。その時に、とても冷静な自分が居て2人の行動や心の動きを観察していました。彼のことは今でも好きですしできればお付き合いも続けたいと思いますが彼に対してあんなに熱くなっていた自分って何だったのかしら・・・と思ってしまうのです。彼も今の状況(不況で家族を養うことに一杯一杯で私との時間を十分に持てない)を自分自身でどうしていいのかわからないようで、話の端々に出てくるのは仕事や世の中に対する不満や不安ばかりなのです。彼の全てを受け入れる程の器は私にはないので、私自身もそんな状況が苦痛なのです。今は楽しかった頃の彼との思い出に“あぁ、あんなこともあったなぁ”とやや刹那的な気持ちになることの方が多いのです。何となく、もう以前のような熱い気持ちはもてないような、そんな気がしています。

Cさん、本当に何度も近況をお聞きすることになってしまって、申し訳ございません。お許しください。メールをくださったすべての方に何らかのお返事をさしあげたいという想いから、こうした状態を招いてしまいましたが、私の我がままで、タイミングよくお答えができませんでしたこと、たいへん心苦しく思っております。状況もずい分変わっているようですが、もしよかったら、私の考えを聞いていただけますか?

お互い家庭を持っている者同士の恋愛というのは、ある意味ではとても純粋なのだろうと思います。独身同士なら、結婚に対する気持ちの温度差が、何らかの打算を生みますし、片方だけが結婚している場合も、恋愛感情以外の身勝手な感情がどこかに働くような気がします。でもお互い家庭を持ち、仕事も持っている大人同士なら、たぶん何の打算もなく、ピュアに相手を見つめることができるから、むしろ結婚相手以上に、強い恋愛感情に発展することもあるのかもしれません。

そして皮肉にも、結婚したとたん、自分が男性に何を求めていたのかが急にハッキリ見えてきて、夫以上に価値観の合う相手とたちまち出合ってしまうなどということも実際よくあるようで、結婚したからこそ、本当の恋愛ができてしまうことは、男にも女にも起こりうるのです。ただそれが“恋愛”である以上、いつかは冷めていく宿命にあり、本来は恋愛感情を愛情に変えてくれるのが、結婚なのだと思います。つまり、結婚の可能性をもたない恋愛は、よほど強い絆がなければ、愛情への切りかえは難しいのかもしれません。

Cさんの場合は、7年という長い時代をかけていただけに、恋愛が愛情に切り変わりつつあったのでしょうが、ちょうどそれを何かの力が引きもどすように彼との関係が変わってしまった……。妙なことを言うようですが、お二人の関係が精神的にもこれ以上深まらないように……と無意識にでも望んでいる誰かがいるから、そこに引き離そうとする見えない力が働いたのではないでしょうか。お互いの家族が、お二人の関係を仮にまったく知らなくても、そうあってほしくないという気持ちを常日頃もっていれば、それがいつの間にか、見えない力になってしまうものです。霊的なにかがどうこうと言うのではなく、やはりこういう時、人はみんな多かれ少なかれ運命の力に動かされていると考えるべきだと思うのです。その運命に身をまかせた方が結果的にいい方向に向くのではないかとも思うのです。

もっとハッキリ言ってしまえば、お便りの内容に、ご主人のことが、ほとんど出てこなかったことが少し気になりました。だからよけい、Cさんに自分の方を見てほしいと望んでいるご主人の気持ちが伝わってくるような気がしました。

恋愛はいつか終わるけど、愛情は一度生まれたらほとんど終わらずにむしろ増えていくもの。自分は誰とその愛情を一生かけて育んでいきたいのか、またいくべきなのか、それを確かめる時期が来たのかもしれません。少なくとも人は、歳をとった時に、心から愛情をもてる人と一緒にいれれば、自分は幸せだった、いい人生だったと思えるのです。逆を言えば、その時までに、愛情をもてる本当の人を見つけておけばいいのだと思います。それを知った上で、ご主人と彼への想いをもう一度見つめ直してみてください。歳をとった時、自分が愛せるのは誰か、自分を本当に愛しつづけてくれるのは誰か、ほのぼのとした愛情を育てられるのは誰か、今一度見つめ直してみてください。生意気なことを言ってごめんなさい。そして、すでにお気持ちが落ちつかれている今になって、こんなことを申し上げる失礼をお許しください。どうぞお元気で。



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